技術ブログ 2026.08.21

【技術ブログ】振動計測とは?加速度・速度・変位の違いとワイヤレス計測の基礎知識

【技術ブログ】振動計測とは?加速度・速度・変位の違いとワイヤレス計測の基礎知識

こんにちは!ロジカルプロダクト技術ブログ編集部です。
振動計測を始めると、
 ・加速度・速度・変位は何が違うの?
 ・サンプリング周波数はどのように決めればいい?
 ・920MHzと2.4GHzはどちらを選べばいい?
といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
振動計測は、産業用機械のメンテナンス、橋梁や建物などの構造物診断、スポーツ・医療分野の動作解析、大学や研究機関での実験など、幅広い分野で活用されています。
今回は、振動計測で押さえておきたい基礎知識と、現場に合わせたワイヤレス計測の選び方をご紹介します。

1. 振動を測る3つのアプローチ「変位・速度・加速度」

振動は大きく分けて「変位」「速度」「加速度」の3つの方法で表されます。測定目的によって適切に使い分けることが重要です。

測定量 単位 測定内容 主な用途
変位 μm・mm どれだけ動いたか(基準位置からの距離) 橋梁・建物・機械軸の振れ
速度 mm/s 単位時間当たりの変位の変化量(変位の微分) 振動評価
加速度 m/s²・gal・G 単位時間当たりの速度の変化量(速度の微分) 衝撃試験・高周波振動・研究用途

■ 変位(へんい)

変位は「どれだけ動いたか(基準位置からの距離)」を表します。比較的大きく、ゆっくりとした振動の測定に適しており、橋梁や建物のたわみ、回転軸の振れなどの測定で使用されます。

■ 速度(そくど)

速度は「変位の変化率」を表します。振動の大きさを総合的に評価する指標として用いられ、設備保全や、ISO 20816などに基づく振動評価でも広く利用されています。

■ 加速度(かそくど)

加速度は「速度の変化率」を表します。高周波の微細な振動や衝撃に対して感度が高く、衝撃試験や構造物解析、研究用途などで広く使用されています。

加速度から速度・変位へ換算するときの注意点
 加速度データを積分することで速度、さらに積分することで変位へ換算できます。
 ただし、センサーのわずかなオフセット誤差やノイズも積分によって蓄積されるため、基準値が徐々にずれる
 「ドリフト」が生じることがあります。
 特に、長時間の計測や低周波領域の解析、変位への二重積分ではドリフトの影響が大きくなりやすいため注意が
 必要です。
 速度や変位を精度よく求めるには、センサーのノイズ特性、分解能、低周波特性などを確認し、オフセット補正や
 適切なフィルタ処理を行うことが重要です。
 測定目的によっては、加速度から換算するのではなく、速度センサーや変位センサーによる直接計測が適している
 場合もあります。

2. 振動計測で注意したい2つの落とし穴

高性能なセンサーを使用していても、計測条件や設置方法によっては正しいデータを取得できない場合があります。
代表的な2つの注意点をご紹介します。

 落とし穴① サンプリング周波数不足(エイリアシング)

  サンプリング周波数とは、「1秒間に何回データを記録するか」を表す値です。
  理論上、測定したい最高周波数の2倍を超えるサンプリング周波数が必要です(ナイキストの定理)。
  例えば100Hzの振動を150Hzでサンプリングすると条件を満たさず、実際とは異なる低い周波数として記録される
  「エイリアシング」が発生します。
  実際の計測では、測定対象や解析目的、センサーの周波数特性、アンチエイリアシングフィルタの仕様なども
  考慮して設定することが重要です。

 落とし穴② ケーブルによるノイズ

  有線センサーでは、ケーブルの揺れ・擦れ・引っ張りなどの影響がノイズとして計測データに現れることが
  あります。
  正確なデータを取得するためには、ケーブルを固定し、張力がセンサーに伝わらないようにするなど、
  設置方法にも注意が必要です。

3. 現場に合わせて選ぶ「920MHz帯」と「2.4GHz帯」

ロジカルプロダクトでは、用途や計測環境に応じて選べる920MHz帯と2.4GHz帯のワイヤレス計測シリーズをご用意しています。
センサーから計測装置までの信号ケーブルが不要なため、配線の手間を減らせるほか、ケーブルの擦れや引っ張りによるノイズの低減も期待できます。
項目 920MHz帯ワイヤレス 2.4GHz帯ワイヤレス
主な特長 長距離通信・障害物に強い 高速サンプリング・高速通信
電波特性 壁や鉄骨などの障害物がある環境でも比較的回り込みやすい 広い帯域を活かして大容量データを高速転送
FFT解析 専用PCアプリで対応 非対応
おすすめ用途 工場・橋梁・ビル・屋外モニタリング・設備診断 衝撃試験・スポーツ・医療・高速動作解析

さらに、どちらのシリーズも複数台の同期計測に対応しています。
ワイヤレスで各センサーの計測タイミングをそろえられるため、構造物全体のモード解析や複数箇所の振動比較などにも活用できます。

4. FFT解析にも対応(920MHzワイヤレスシリーズ専用)

920MHzワイヤレスシリーズ専用PCアプリでは、取得したデータのリアルタイム波形表示に加えて、FFT解析(周波数分析)にも対応しています。
FFT解析を行うことで、
 ・どの周波数の振動が大きいか
 ・共振している周波数はどこか
 ・異常振動が発生している周波数帯はどこか
などを確認することができます。
設備診断や構造物の振動解析など、振動の特徴を把握する際に有効な機能です。
※FFT解析機能は920MHzワイヤレスシリーズ専用PCアプリに搭載されています。2.4GHzワイヤレスシリーズ用アプリには搭載されていません。

まとめ

振動計測では、
 ・加速度・速度・変位の違いを理解する
 ・加速度から速度・変位へ換算する際はドリフトに注意する
 ・測定対象に合ったサンプリング周波数を設定する
 ・計測環境や必要なデータ量に合わせて無線方式を選ぶ
ことが重要です。
ロジカルプロダクトでは、障害物に強い920MHz帯から、高速・大容量通信に対応した2.4GHz帯まで、さまざまな計測環境に対応するワイヤレス計測ソリューションをご用意しています。

振動計測でお困りではありませんか?

 「どのセンサーを選べばいい?」
 「920MHzと2.4GHzのどちらが適している?」
 「サンプリング周波数をどう設定すればいい?」
 「加速度から速度・変位へ換算したいが、ドリフトが心配」
といったご相談も承っています。
ロジカルプロダクトでは、導入前のご相談、電波環境テスト、デモ機の無料貸出も行っております。
振動計測に関する疑問や製品選定でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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